日本人女性の平均寿命世界の妊産婦死亡率 / 周産期死亡率
#03 女性のヘルスケア
- 日本人女性の平均寿命
- 世界に見る平均寿命
- 女性の身体と健康の話
終戦から5年
戦前に至っては、平均寿命は男女ともに40代半ばという時代があった日本。比較すると飛躍的に延びているものの、1950年当時の日本の平均寿命は主要先進国の中で最も低かった。
家電元年
冷蔵庫、洗濯機、掃除機の家電「三種の神器」が登場したのは53年頃と言われる。60年当時は高度経済成長のただ中とはいえ普及率はまだまだ。1966年は丙午の迷信の影響で出生率が前年度比25%も低かった。
くらしの変化
高度経済成長による所得向上が著しい時代。家電の普及により家庭における女性のくらしにも変化が生まれる。
この頃から、日本人の平均寿命は先進国の中でも上位に位置するようになっていく。
女性の社会進出
1970年中頃を底に女性の労働力人口は増加しはじめ、80年代にはおよそ47%の女性が社会へ進出。これに比例するように平均出産年齢も少しずつ上昇傾向に。85年には日本人女性の平均寿命が世界一となり、これは2011年を除いて現在も継続している。
閉経後の人生は30年
80年代半ばより、日本人女性の平均寿命は80歳を超える。骨粗しょう症、動脈硬化、認知症など、閉経後に分泌量が著しく下がるエストロゲンを中心とした、女性ホルモン欠乏が関与した疾患対策の重要性がますます高まる。
健康寿命という概念
2000年、WHOは何歳まで自立して健康に暮らせるかという指標である「健康寿命」という概念を発表。2007年には65歳以上人が21%を超える超高齢社会に突入した日本にとって、早急に解決すべき課題となった。
女性医学の発展へ
平均寿命の延びと比例し高齢女性特有の疾患も年々変化しており、予防医学の重要性はますます高まっている。女性のQOL維持と健やかな老後の実現のため、日本の産婦人科医は総力を挙げてこれに取り組んでいる。
- 0
- 10
- 20
- 30
- 40
- 50
- 60
- 70
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- 90
- 100
- 女性の平均寿命
単位:歳 - 第1子出生時の
母の平均年齢
単位:歳
- 1950年
- 1960年
- 1970年
- 1980年
- 1990年
- 2000年
- 2010年
- 2020年
- 100
- 90
- 80
- 70
- 60
- 50
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- 30
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- 80
- 70
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- 30
- 20
- 10
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- 1950
- 1960
- 1970
- 1980
- 1990
- 2000
- 2013
終戦から5年
戦前に至っては、平均寿命は男女ともに40代半ばという時代があった日本。比較すると飛躍的に延びているものの、1950年当時の日本の平均寿命は主要先進国の中で最も低かった。
家電元年
冷蔵庫、洗濯機、掃除機の家電「三種の神器」が登場したのは53年頃と言われる。60年当時は高度経済成長のただ中とはいえ普及率はまだまだ。1966年は丙午の迷信の影響で出生率が前年度比25%も低かった。
くらしの変化
高度経済成長による所得向上が著しい時代。家電の普及により家庭における女性のくらしにも変化が生まれる。
この頃から、日本人の平均寿命は先進国の中でも上位に位置するようになっていく。
女性の社会進出
1970年中頃を底に女性の労働力人口は増加しはじめ、80年代にはおよそ47%の女性が社会へ進出。これに比例するように平均出産年齢も少しずつ上昇傾向に。85年には日本人女性の平均寿命が世界一となり、これは2011年を除いて現在も継続している。
閉経後の人生は30年
80年代半ばより、日本人女性の平均寿命は80歳を超える。骨粗しょう症、動脈硬化、認知症など、閉経後に分泌量が著しく下がるエストロゲンを中心とした、女性ホルモン欠乏が関与した疾患対策の重要性がますます高まる。
健康寿命という概念
2000年、WHOは何歳まで自立して健康に暮らせるかという指標である「健康寿命」という概念を発表。2007年には65歳以上人が21%を超える超高齢社会に突入した日本にとって、早急に解決すべき課題となった。
女性医学の発展へ
平均寿命の延びと比例し高齢女性特有の疾患も年々変化しており、予防医学の重要性はますます高まっている。女性のQOL維持と健やかな老後の実現のため、日本の産婦人科医は総力を挙げてこれに取り組んでいる。
- 1950
- 1960
- 1970
- 1980
- 1990
- 2000
- 2013
- JAPAN
- INDIA
- FRANCE
- RUSSIA
- EGYPT
- SOUTH AFRICA
- USA
- BRAZIL
日本人女性の平均寿命、平均健康寿命はともに世界第1位。
これは環境の変化や食生活の改善はもちろん、多くの日本人医師達の努力と医学の発展によって実現・維持されている。
平均寿命の伸びは世界的な傾向として、先進国すべてに当てはまり、またこの傾向は今後も続くと予想されている。平均健康寿命を平均寿命に少しでも近づけるための社会的・医学的取り組みは世界共通の課題となっており、長寿大国である日本も例外ではない。
2011年、日本産科婦人科学会では、女性医学発展を目的として「女性のヘルスケア委員会」を発足。
従来の産婦人科医療の範疇を広げるとともに、すべての女性のQOL向上に取り組んでいる。
次のコンテンツでは、現代における世界各国の平均寿命の比較、並びに1990年における各国の平均寿命との比較を通じて、平均寿命の変化と傾向について紹介する。
女性の平均寿命 (2012年)
女性の平均寿命と平均健康寿命の差:10年
1990年の女性の平均寿命:82歳
GDP(1人):38,491.35(USドル)
女性の平均寿命と平均健康寿命の差:10年
1990年の女性の平均寿命:58歳
GDP(1人):1,504.54(USドル)
女性の平均寿命と平均健康寿命の差:11年
1990年の女性の平均寿命:82歳
GDP(1人):42,999.97(USドル)
女性の平均寿命と平均健康寿命の差:9年
1990年の女性の平均寿命:74歳
GDP(1人):14,818.64(USドル)
女性の平均寿命と平均健康寿命の差:11年
1990年の女性の平均寿命:67歳
GDP(1人):3,225.52(USドル)
女性の平均寿命と平均健康寿命の差:9年
1990年の女性の平均寿命:66歳
GDP(1人):6,620.72(USドル)
女性の平均寿命と平均健康寿命の差:10年
1990年の女性の平均寿命:79歳
GDP(1人):53,101.01(USドル)
女性の平均寿命と平均健康寿命の差:10年
1990年の女性の平均寿命:70歳
GDP(1人):11,310.88(USドル)
女性の平均健康寿命 (2012年)
男性の平均寿命 (2012年)
世界に見る平均寿命
ホルモン補充療法の
はじまり
1889年、内分泌系の研究を行っていたブラウン・セカールは犬の睾丸をすりつぶして自らに注射をし、肉体的に若返ったと発表。この実験はマレー他、後の多くの科学者によるホルモンの研究や発見につながった。
アスリートと骨折
女性アスリートに注意して欲しい症状の一つ「無月経」。激しいトレーニングなどによって肉体に過度な負荷がかかると月経が止まることがある。これによりホルモンが不足した結果、骨量の低下が進行し骨折しやすくなることも。気になる人は産婦人科の先生に相談してみよう。
閉経と寿命
動物の多くは閉経よりも寿命が先に来ると言われる。そのため、自然界において閉経は人間やシャチなど一部の動物だけに見られる極めて珍しい現象。100年前までは人間の平均寿命は50歳に満たなかったため、人間も例外ではなかった。
どこまで延びる?
2000年に生まれた子どもの半数は104歳、2007年に生まれた子どもの半数は107歳。これはある研究よって算出された、日本人の平均寿命の未来を予測したデータ。ちなみに、このデータでも日本人の平均寿命は主要先進国の中で最も長い。
人生のパートナー
初潮・妊娠・出産・疾患・閉経…。女性の身体は長い人生の中でさまざまに変化し、信頼できる産婦人科医は、その変化を支え乗り切る心強いパートナーとなる。気軽に相談できる医師を見つけ、定期的に検診を受けることで、病気を未然に防ぐとともに必要な知識を得ることができる。
ホルモンと病気の
関係
閉経後の女性ホルモン分泌量低下には、骨粗しょう症、脂質異常症、脳梗塞、心筋梗塞、認知症などさまざまな疾患が関連していると考えられている。一度発症してしまった身体を元通りに戻すのは難しく、日頃の検診を通じた予防が大切。