日本における生殖補助医療の歩み世界の生殖補助医療実績
#02 生殖補助医療(ART)
- 日本における生殖補助医療の歩み
- 世界の生殖補助医療実績
- ヒトの生殖に関する大切な話
1990年
ART 治療数
ART 登録施設数
ART 出生児数(1991年) / 総出生児数
ART 出生児率 (1991年)
生殖補助医療のはじまり
日本の生殖補助医療は80年代から始まった。83年には日本初の体外受精児誕生、89年には凍結受精卵による国内初となる妊娠出産が報告され、90年代から症例数が飛躍的に増加する。国内におけるART登録施設数も90年から95年にかけて348施設に倍増した。
多胎妊娠防止への動き
2008年、日本産科婦人科学会は多胎妊娠防止のための移植胚数を制限するガイドラインを発表。それまでは年齢に関係なく三個まで移植可能だったが、女性が35歳未満の場合は一個のみ、女性が35歳以上または34歳未満でも二回の胚移植で妊娠しなかった場合三回目より二個を許容する、という内容にあらためられた。
多胎率の低下
2008年発表のガイドラインにより移植胚数原則1個が守られた結果、多胎率も急速に変化し2011年にはおよそ4%に。効率性よりも母子ともに安全であることを最重視した日本は、世界で最もARTによる多胎妊娠が少ない国の一つとなった。
クラスに1人の時代へ
日本におけるART出生児比率は32人に1人に。
晩産化傾向が一層高まる現代において、この比率は今後も上昇することが予想されている。その一方で自然妊娠の割合は年々確実に減少している。少子化という深刻な課題を前に、日本の未来のために生殖のあるべき形を考えることが急務と言える。
1990年
ART出生児率(1991年)
ART 出生児数(1991年) / 総出生児数
ART 治療数
ART 登録施設数
1995年
ART出生児率(1996年)
ART 出生児数(1996年) / 総出生児数
ART 治療数
ART 登録施設数
2000年
ART出生児率(2001年)
ART 出生児数(2001年) / 総出生児数
ART 治療数
ART 登録施設数
2005年
ART出生児率(2006年)
ART 出生児数(2006年) / 総出生児数
ART 治療数
ART 登録施設数
2010年
ART出生児率(2011年)
ART 出生児数(2011年) / 総出生児数
ART 治療数
ART 登録施設数
2011年
ART出生児率(2012年)
ART 出生児数(2012年) / 総出生児数
ART 治療数
ART 登録施設数
- ART出生児数
- ART治療数
- 1990年
- 1995年
- 2000年
- 2005年
- 2010年
- 2011年
- 1,2007,565
- 5,67838,150
- 12,27469,690
- 19,112125,414
- 28,945242,017
- 32,426269,555
- 400,000
- 360,000
- 320,000
- 280,000
- 240,000
- 200,000
- 160,000
- 120,000
- 80,000
- 40,000
- 0
- 50,000
- 45,000
- 40,000
- 35,000
- 30,000
- 25,000
- 20,000
- 15,000
- 10,000
- 5,000
- 0
- 1990
- 2007
- 2010
- 2011
生殖補助医療のはじまり
日本の生殖補助医療は80年代から始まった。83年には日本初の体外受精児誕生、89年には凍結受精卵による国内初となる妊娠出産が報告され、90年代から症例数が飛躍的に増加する。国内におけるART登録施設数も90年から95年にかけて348施設に倍増した。
多胎妊娠防止への動き
2008年、日本産科婦人科学会は多胎妊娠防止のための移植胚数を制限するガイドラインを発表。それまでは年齢に関係なく三個まで移植可能だったが、女性が35歳未満の場合は一個のみ、女性が35歳以上または34歳未満でも二回の胚移植で妊娠しなかった場合三回目より二個を許容する、という内容にあらためられた。
多胎率の低下
2008年発表のガイドラインにより移植胚数原則1個が守られた結果、多胎率も急速に変化し2011年にはおよそ4%に。効率性よりも母子ともに安全であることを最重視した日本は、世界で最もARTによる多胎妊娠が少ない国の一つとなった。
クラスに1人の時代へ
日本におけるART出生児比率は32人に1人に。
晩産化傾向が一層高まる現代において、この比率は今後も上昇することが予想されている。その一方で自然妊娠の割合は年々確実に減少している。少子化という深刻な課題を前に、日本の未来のために生殖のあるべき形を考えることが急務と言える。
- 1990
- 2007
- 2010
- 2013
生殖補助医療のはじまり
日本の生殖補助医療は80年代から始まった。83年には日本初の体外受精児誕生、89年には凍結受精卵による国内初となる妊娠出産が報告され、90年代から症例数が飛躍的に増加する。国内におけるART登録施設数も90年から95年にかけて348施設に倍増した。
多胎妊娠防止への動き
2008年、日本産科婦人科学会は多胎妊娠防止のための移植胚数を制限するガイドラインを発表。それまでは年齢に関係なく三個まで移植可能だったが、女性が35歳未満の場合は一個のみ、女性が35歳以上または34歳未満でも二回の胚移植で妊娠しなかった場合三回目より二個を許容する、という内容にあらためられた。
多胎率の低下
2008年発表のガイドラインにより移植胚数原則1個が守られた結果、多胎率も急速に変化し2011年にはおよそ4%に。効率性よりも母子ともに安全であることを最重視した日本は、世界で最もARTによる多胎妊娠が少ない国の一つとなった。
クラスに1人の時代へ
日本におけるART出生児比率は32人に1人に。
晩産化傾向が一層高まる現代において、この比率は今後も上昇することが予想されている。その一方で自然妊娠の割合は年々確実に減少している。少子化という深刻な課題を前に、日本の未来のために生殖のあるべき形を考えることが急務と言える。
- JAPAN
- SWEDEN
- DENMARK
- UK
- FRANCE
- ITALY
- GERMANY
- USA
このコンテンツでは、日本、ヨーロッパ、アメリカの各国におけるART症例数の比較をご紹介する。
ARTの実績を評価する重要なキーワードの一つに「多胎率」がある。多胎率とは、双子以上の子どもを妊娠する割合を示したもので、ARTにおける多胎の要因は複数個の胚移植にある。
複数の受精卵をお腹に戻すことで妊娠の確率は上がるものの、多胎となった場合に母子共にリスクが飛躍的に上がることから、日本では安全性を優先し、世界に先駆けて単一胚移植を推奨してきた。
一方アメリカをはじめとした諸外国では、生産効率を重視し複数個の胚移植が行われてきたが、現在では単一胚移植が世界的な標準になりつつある。
生産効率と安全性、その優先順位に対する考え方など、データを通じてARTに関する各国の違いも垣間見ることができる。
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
多胎率(2011年)
世界の生殖補助医療実績
このコンテンツでは、日本、ヨーロッパ、アメリカの各国におけるART症例数の比較をご紹介する。
ARTの実績を評価する重要なキーワードの一つに「多胎率」がある。多胎率とは、双子以上の子どもを妊娠する割合を示したもので、ARTにおける多胎の要因は複数個の胚移植にある。
複数の受精卵をお腹に戻すことで妊娠の確率は上がるものの、多胎となった場合に母子共にリスクが飛躍的に上がることから、日本では安全性を優先し、世界に先駆けて単一胚移植を推奨してきた。
一方アメリカをはじめとした諸外国では、生産効率を重視し複数個の胚移植が行われてきたが、現在では単一胚移植が世界的な標準になりつつある。
生産効率と安全性、その優先順位に対する考え方など、データを通じてARTに関する各国の違いも垣間見ることができる。
JAPAN
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
多胎率(2011年)
SWEDEN
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
DENMARK
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
UK
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
FRANCE
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
ITALY
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
GERMANY
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
USA
ART 出生児数(2010年)
総出生児数(2010年)
平均移植胚数
多胎率
卵子も年を取る
肉体の加齢と共に、卵子も同じように老化する。 卵子の年齢が若いほど、妊娠しやすく母子共に健康な出産が可能だが、30代半ばを過ぎると質低下した卵子が増えることで妊娠しづらくなる傾向がある。
卵子の数は?
卵子の数は、生まれる前の妊娠5か月頃がおよそ700万個で、産まれたときはおよそ200万個に。初潮を迎える際には170万個ほどがなくなり20~30万個に。その後は月経毎に約1,000個ずつ(1日20~30個)減っていくと言われている。
出典元:Block E.:Acta anta.(Basel)14(1952) 108
多くなるほど大変
多胎妊娠による周産期死亡リスクは、単胎と比較して双胎の場合で約8倍、品胎(三つ子)だと約15倍とも言われる。その他の多胎妊娠の主なリスクとして、母体は早産、妊娠高血圧症、胎児は早産未熟児が上げられる。
HIVとART
日本は先進国の中では珍しく、HIV感染者の数が増加傾向にある(男性のみ)。感染者の精液からHIVウイルスを除去するという技術もARTによるもの。HIV感染者と非感染者間の安全な妊娠にも一役買っている。
日本初
日本初の体外受精児が誕生したのは1983年(東北大学医学部付属病院)。体重2,544gと、標準よりやや小さく産まれた女の子は順調に成長し、2003年に自然妊娠で男の子を出産している。
あまり知られて
いないこと
ARTによる分娩率は30代後半で急速に低下し42歳になると5%を下回る。しかし、20代であればARTに頼ることなく、およそ9割の女性が妊娠・出産の機会を得られる。これらは非常に重要ながらあまり知られていない。